数や順番を表す語を数詞といいます。日本語でも、ものを数える場合「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」、人を数える場合「ひとり」「ふたり」「さんにん」と言うように、いろいろな数詞があります。やいまむにも同様に、数える対象によってさまざまな数詞があります。
地域によって数詞の表現は異なりますが、今回はめーらむにの数詞を中心にご紹介します。
主な数詞
数詞は数を表す部分と、単位を表す部分がくっついてできています。
| 数 | 共通部分 | 数える対象 | |||
| 人 | もの | 回数 | 生き物 | ||
| 1 | ぷぃとぅ | ぷぃとぅーるぃ | ぷぃてぃーづ | ぷぃとぅむす | ぷぃとぅから |
| 2 | ふた | ふたーるぃ | ふたーづ | ふたむす | ふたから |
| 3 | み | みすたーるぃ | みーつ | みーむす | みすから |
| 4 | ゆ | ゆったーるぃ | ゆーつ | ゆーむす | ゆっから |
| 5 | いつ | いつったーるぃ | いつつ | いつむす | いつから |
| 6 | ん | んったーるぃ | んーつ | んーむす | んっから |
| 7 | なな | ななったーるぃ | ななつ | ななむす | ななから |
| 8 | や | やったーるぃ | やーつ | やーむす | やっから |
| 9 | く | くくぬたーるぃ | くくぬつ | くぬむす | くくぬっから |
| 10 | とぅ | とぅったーるぃ | とぅー | とぅーむす | とぅっから |
「6」を表す「ん」の音は、唇を横に引っ張って、唇を閉じずに発音します。
人を数える
人の数を数えるとき、1人の場合は「ぷぃとぅーるぃ」と言いますが、2人以上の場合は「~たーるぃ」と言います。
例文を見てみましょう。
「さーり」は「~で」という意味の格助詞、「はてー」は「畑」、「さーふ」は「仕事」という意味です。
ぷぃとぅーるぃ さーり はてーぬ さーふ すぃた
ぷぃとぅーるぃ さーり はてーぬ さーふどぅ すぃた
(1人で畑仕事をした)
ぷぃとぅーるぃ さーり はてーぬ さーふ ひーうった
(1人で畑仕事をしていた)

めーらむにでは「~した」というとき「すぃた」と「ひー」の2通りの表現が可能です。そのため「1人で畑仕事をした」は「ぷぃとぅーるぃ さーり はてぬさーふどぅ ひー」と言うこともできます。ただし、命令口調の「ぷぃとぅーるぃ さーり はてぬさーふどぅ ひーくば」と似ているので、この場合は「すぃた」の方がいい(誤解が生まれにくい)とのことです。
ものを数える
ものを数えるときは「ぷぃてぃーづ」「ふたーづ」「みーつ」など、「~つ(づ)」と言います。10は「とぅー」で、11以上は日本語と同じです。
例文を見てみましょう。
「ふにん」は「みかん」、「ほーり」は「ください」という意味です。
ふにん ぷぃてぃーづ ほーり
ふにんゆ ぷぃてぃーづ ほーり
ふにんば ぷぃてぃーづ ほーり
(みかんを1つください)

生き物を数える
生き物を数えるときは「~から」と言います。
例文を見てみましょう。
「おんた」は「豚」、「がらさー」は「カラス」、「つぃかのーん」は「飼う」、「とぅまるん」は「とまる」という意味です。
おんた みすから つぃかないうった
(豚を3匹飼っていた)

がらさーぬ いつから とぅまりうった
(カラスが5羽とまっていた)

回数を数える
「1回」「2回」「3回」と回数を数えるときは「~むす」と言います。
めー ぷぃとぅむす いじみーり
めー ぷぃとぅむす あんじみーり
めー ぷぃとぅむす あんじ/いじもーり(敬語)
(もう1回言ってみて)

回数を数えるときの別の言い方で「~げん」という表現もあります。
「ぷぃとぅげん(1回)」というときによく使われます。「ふたげん(2回)」例えば「ぷぃとぅげんなー ばんちゃーげ あそびにくばよー(1度くらいはうちに遊びにおいでよ)」と言います。
一方でという言い方はあまり使われないそうです。
日付の言い方
日付は次のように数えます。これ以外の日付は日本語と同じように言うそうです。
1日:つぃくぃたつぃ
2日:
3日:みーが
4日:ゆっか
5日:いつか
6日:んっか
7日:ななか
8日:よーが
9日:くくぬか
10日:とぅっか
15日:じゅんぐにつぃ
16日:じゅーるくにつぃ
12月31日:とぅすぃぬゆー(大晦日)
歩数を数える
歩数を数えるときは「~あすぃ」と言います。日本語の「足」という意味ですが、独立して「足」という意味では使われず、特別な用法で用いられる表現です。
1歩:ぷぃとぅあすぃ
2歩:ふたあすぃ
3歩:みーあすぃ
例文を見てみましょう。
よーよー、やーぬ ぞーがら ぷぃとぅあすぃ さいるかー、んまー しきん だらー
(家の門から1歩外に出たら、もう世間だよ)
「よーよー」は、注意を促すときに使われます。
「やー」は「家」、「ぞー」は「門」、「しきん」は「世間」という意味です。
「さいるん(さいん)」は「(歩を)進める」と言う意味ですが、『石垣方言辞典』によると「あすぃ さいん」の用法しかないそうです【例文:みすぃこー みすぃこー あすぃ さいりよー(ゆっくり ゆっくり歩を進めなさいよ)】
やいまむにの数詞を動画で確認してみよう
めーらむにではありませんが、やいまむにの数詞を紹介している動画があるのでご紹介します。
みなさんの地域のすぃまむにでは、どのような数詞がありますか。コメントで教えてください。
今日のレッスンはここまでです。
またらーめ。
参考文献:
横山晶子『0から学べる島むに読本 琉球沖永良部島のことば』
宮城信勇『石垣方言辞典 本文編』沖縄タイムス社
松原秀吉『宮良村(むら)方言集』

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