やいまむにの敬語表現は非常に複雑で、学習者にとっては戸惑うポイントの1つです。
今回は敬語表現である「おーるん」、丁寧な表現である「ゆー」「ねーら」「なーら」の使い方をご紹介します。
①おーるん:尊敬を表す敬語表現
多くの動詞に「おーるん」を付けることで、尊敬を表す敬語表現になります。
「言う」はめーらむにで「あんずん」ですが、相手の名前を聞く場合「あんじょーるん」と言います(自己紹介のレッスン参照)。
これは日本語の「おっしゃる」に該当するもので、「あんずん」+「おーるん」からできた表現です。
辞書形 | 短い敬語形 | 長い敬語形 | |
言う(めーらむに) | あんずん | あんじょーるん | あんじおーるん |
言う(すぃかむに) | あんくん、(あんぐん) | あんこーるん、あのーるん | |
読む | ゆむん | ゆもーるん | ゆみおーるん |
書く | かくん | かこーるん | かきおーるん |
表から分かるように、「おーるん」を使った敬語表現には短い形と長い形の2種類ある場合があります。
長い敬語形は、動詞のいわゆる連用形+「おーるん」でつくられます。
短い敬語形は、長い形の省略によってできたものと考えられます。
すぃかむにの「あんくん」の敬語形は「あんこーるん」と「あのーるん」の2種類あります。
「あんこーるん」は「あんくん」+「おーるん」からできた表現です。
「あんくん」と同じ意味で「あんぐん」と言う場合もあるそうです。
「あのーるん」は「あんぐん」+「おーるん」=「あんごーるん」の g の音が n の音に変化して生まれた表現のようです。
②ゆー:丁寧な断定
日本語の「~です」「~ます」の言い方に似ている表現が「ゆー」です。
文の最後に「ゆー」をつけると、丁寧な表現になります。
例文を見てみましょう。
普通:ばーなーや ○○でぃどぅ あんず。
丁寧:ばーなーや ○○でぃどぅ あんずゆー。
これは「私の名前は○○です」という言い方です。
「ゆー」は日本語の「~です」「~ます」と同じように断定文に使われる表現です。
他の例文も見てみましょう。
「みーふぁいゆー」とお礼を言われたときは、次のように返すことができます。
普通:あんじるむん のーんあらぬ。
丁寧:あんじるむん のーんあらぬゆー。
「そんなこと、なんでもないよ(なんでもないですよ)」という意味で、標準語の「どういたしまして」に相当する表現です。「ゆー」を付けるだけで、丁寧な表現になります。
③ねーら:丁寧な疑問
疑問文の場合、文の最後に「ねーら」をつけると非常に丁寧な表現になります。
普通:わーなーや のーでぃどぅ あんず?
丁寧:なーや のーでぃどぅ あんじょーる?
非常に丁寧:なーや のーでぃどぅ あんじょーるねーら?
これは「あなたの名前はなに(なんですか)?」という意味の文です(自己紹介のレッスン参照)。
「ねーら」は非常に丁寧な言い方なので、1番目上の人に対してのみ使ってみましょう。
「あなた」を意味する「わー」は、友人や同年代の人へ使うことはできますが、目上の人に対して使うと失礼に聞こえるそうです。目上の人に質問する場合、「わー」を使わずに尋ねましょう。
他の例文も見てみましょう。
普通:くれー のー かやー?
丁寧:くれー のーどぅ やろーる?
非常に丁寧:くれー のーどぅ やろーるねーら?
これは「これは何ですか?」と尋ねる文です。
丁寧な表現の「やろーる」は「やん(である)」に敬語表現の「おーるん」がついた形です。
これに「ねーら」をつけると、さらに丁寧な表現になります。
④なーら:丁寧な命令・依頼
丁寧な命令文・依頼文をつくる場合、文の最後に「なーら」をつけます。
自己紹介の時に使えるフレーズとしてご紹介した「みしったぼんなーら」でも使われている表現です(自己紹介のレッスン参照)。
普通:みっしひりよー。
丁寧:みしったぼーり。
非常に丁寧:みっしたぼんなーら。
これは日本語では「よろしくお願いします」と訳されますが、直訳すると「お見知りおきください」という意味です。
「~たぼーり」というのは「~してください」という意味で、これも丁寧な表現の1つです。
「みしったぼーり」に「なーら」がついて「みしったぼんなーら」となると、さらに丁寧な言い方になります。
他の例文も見てみましょう。
普通:ゆらひーよー。
丁寧:ゆらひたぼーり。
非常に丁寧:ゆらひたぼんなーら。
これは「お許しください」という意味です。
「たぼーり」「たぼんなーら」とつけることで、丁寧、さらに丁寧な表現になります。
今日のレッスンはここまでです。
この他にもさまざまな敬語表現があるので、今後も少しずつご紹介していきます。
またらーめ。
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