語と活用を学ぶ

にぶん、にむん(寝る/眠る)

語と活用を学ぶ

今回は「にぶん、にむん(寝る/眠る)」という動詞を使った例文をご紹介します。

「にぶん」と「にむん」の2つの言い方があり、意味はまったく同じだそうです。

文の中でどのように活用するのか、例文を見ながら確認してみましょう。
ここで紹介するのは、基本的にめーらむにの表現になります。

まずは、いろいろな活用の形を見てみましょう。

①志向形:
 にばい/寝よう

②未然形:
 にば(ぬ)/寝ない
 にば(りん)/眠れる
 にま(ばん)/いくら眠っても

③連用形:
 にび(ぷぃさん)/眠りたい
 にび(うった)/寝ていた
 にび(ねーぬ)/寝てしまった

④連体形:
 にぶ(ふぁー)/寝る子

⑤断定形:
 にぶん、にむん/寝る

⑥仮定形:
 にぶ(かー)、にむ(かー)/寝るなら、眠るなら

⑦命令形:
 にびゃー、にみゃー、にび、にみ/寝なさい、寝ろ

⑧過去形:
 にん(だ)

⑨禁止形:
 にん(な)

やいまむにの動詞は研究者によって様々な形に分類されており、他にもいろいろな形があるようです。ここでは日常的に使うことの多い活用形の例文をご紹介します。

志向形

志向形は「にばい」という形になります。

志向形とは?
基本的に「(自分が)~しよう」と言うとき[意志]や、話している相手に対して「~しよう」と呼びかけるとき[勧誘]に使われる形です。

にふたはーりきー にばい
(眠いから寝よう)

ぶがりりゃー にばい
(疲れたから寝よう)

[勧誘]の意味で、誰かに対して「一緒に寝ようね」と言う場合は「まーぞん にばなー」という言い方もできるそうです。

未然形

未然形は「にば、にま」という形になります。

未然形とは?
後ろに「ぬ(否定)」、「りん(可能・受身・自発)」、「ばん(いくら~しても)」などの助詞や助動詞が続くとき、基本的に動詞は未然形に変化します。

きゅーや ぷーるぃやりゃー にばぬ
(今日は豊年祭だから寝ない)

ばがはるむんや いかしく にまばん にんたらーぬ
(若者はいくら眠っても眠りたりないものだ)

きゅーや  ぴりぎへーりきー ゆー にばりん
(今日は涼しいので よく眠れる)

きゅーや あっつぁーりきー にばらぬ
(今日は暑くて眠れない)

「にばらぬ」は「にばん」+「りん」(可能の助動詞)+「ぬ」(否定の助動詞)の形で、「眠ることができない」という意味になります。

連用形

連用形は「にび」という形になります。

連用形とは?
「ぷぃさん(~したい)」、「ねーぬ(~してしまった)」、「しけーん(~しておいてある)」、「ぶすぃん(~できる)」、「うん(~ている)」などの補助動詞や助動詞が続くとき、基本的に動詞は連用形に変化します。

かまんが にびうるふぃとぅや たる?
(向こうで寝ている人は誰だ?)

かまんが にびうるふぃとぅや たる?
(向こうで寝ている人は誰だ?)

まーや めー にびねーぬ
(孫はもう寝てしまった)

きゅーや ぶがりうりきー めーへん にびぷぃさーだる
(今日は疲れたからもっと寝たい)

「寝たい」は「にぶん」+「ぷぃさん」で「にびぷぃさん」になりますが、これに似た表現で「にふたはーん(眠たい)」という形容詞もあります(すぃかむにでは「にふさーん」と言うそうです)。

例文:たかーに にべーるきー にふたはーねーぬ
  (たくさん寝たから眠くない)

「めーへん」はめーらむにで「もっと」という意味です。すぃかむにでは「めーめん」と言うそうです。

連体形

連体形は「にぶ」という形になります。

連体形とは?
後ろに名詞が続くときに、動詞は連体形に変化します。

ゆー にぶふぁーや ふどぅびるん
(よく寝る子は育つ)

「ふどぅびるん(「ふどぅびん」とも言う)」は「成長する、大きくなる」という意味です。

断定形

断定形は「にぶん、にむん」という形になります。

断定形とは?
言い切りの形で、辞書に載っている形でもあります。「終止形」とも呼ばれます。

Aさん:きゅーや にむん? にまぬ?/きゅーや にぶん? にばぬ?
Bさん:にむん(だらー)/にぶん(だらー)

[Aさん:今日は寝る? 寝ない?]
[Bさん:寝る(よ)]

仮定形

仮定形は「にぶ、にむ」という形になります。

仮定形とは?
「~すれば、~したら」という仮定の条件を表す接続助詞「かー(っかー)」に続くとき、動詞は仮定形に変化します。

わー にむかー ばーや にまぬ/わー にぶかー ばーや にまぬ
(君が寝るなら僕は寝ない)

9時間 にむかー みしゃだる
(9時間も寝れば良い)

命令形

命令形は「にび、にみ」と「にびゃー、にみゃー」の2つの形があります。

ぱやーぱやー にびゃー/ぱやはー にみゃー
(早く寝なさい)

ひぐ にび/ひぐ にみ
(早く寝ろ)

ぱやはー にび/ぱやはー にみ
(早く寝ろ)

過去形

過去形は「にん」という形になります。

過去形とは?
過去を表す「た(だ)」に続くとき、動詞は過去形に変化します。

くぬや ぶがりだら ぱやはー にんだ
(昨日は疲れたので 早く寝た)

「ねーぬ(~してしまった)」をつけて「にびねーぬ」(寝てしまった)という表現もありますが、これは連用形「にび」+「ねーぬ」の形です。

禁止形

禁止形は「にん」という形になります。

禁止形とは?
禁止を表す「な」に続くとき、動詞は禁止形に変化します。

んぼん ふぁいたんなー にんな
(食事中に寝るな)

んぼん んこーたんなー にもーんな/んぼん んこーたんなー にぼーんな
(食事中に寝ないでください)

八重山では地域によって異なる言い方があります。コメントで教えていただけると嬉しいです。

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